lunes, mayo 30, 2005

レゲトン・クラシックス#1

Playero DJ 40 "New Era"
Featuring Yankee Man, Ruben Sam, Prieto y Polaco, Mansion Crew, Gringo y Baby Rasta, Grupo Nizze, Q Mcdaree, Danny Banton, Miguel Play, Rey Pirin, Don Chezinna, Frankiy Boy, Mexican, Point Breakers, Tito, DJ Black, Manek, M.C., Kalil, Baby Shabaa, Rankin Stone, Original Q

ぼくが、聞いた最初のレゲトンです。1996年のことです。さすがに今では全体を把握することも可能ですが、当時は「何が起こっているのか分からない??」くらいの衝撃がありました。こんなことは、パンクに接したとき、全世界に打って出る前のグルーポ・ニーチェのライブをメキシコで見たときくらいでしょうか。人生とおしてそんなに数多くない経験のひとつと言えると思います。この頃プエルトリコのマイナーなレーベルから出ていたアルバムはヒップホップ・サイドとレゲエ・サイドと分けられて録音されたりもしてたのですが、このCDでは、もうレゲトンという名前は付いてなくても、自分たちは何か新しい音楽をやっているという確信めいたものが感じられますね。このCDやこの頃のアルバムで最も光ってるラッパーといえばMexicanなんですが、2001年にこのジャンルのアーティストとしては初めて米国資本のレーベルとサインして、KRS-ONEをゲストに迎えてアルバムを出したのを最後に、暴力事件か何かで塀の向こうの人になっちゃいました。先日のテンポといい惜しいといえば惜しいんですが、こうしたことも何かこのジャンルらしいことだとも思いますね。逆にジャンルの神話化に貢献してるような気がします。

色々レゲトンの起源について話されていますが、それははっきりこのPlayeroとDJ Nelsonだと言えるのじゃないでしょうか?サルサが盛りあがってどうしても押さえが利かないとか、ここにある、それにダディ・ヤンキーのラップのちょっとキレちゃった感覚はプエルトリカンしかできないんですよね。ドン・オマールのアルバムに入ってるDJ Nelsonの犬がワンワン鳴いてるトラックもさすがこの人でちょっとおかしなこの人のセンスがよく出ていてぼくのお気に入りです。それにN.O.R.Eの、「Oye mi canto」のビデオもじつにプエルトリカンな感覚だと思います。この曲は、クラブの盛りあげ曲ってことでよく取りあげられるみたいですけど、ぼくはこのビデオ見るたびに何とも言えない悲しい感じになるんですよね。どんどん落ち込んでいく感じ。病気の時に聞くと危ないと思うけどなー。ぼくはこういう大げさな表現が大好きなんですけど、この曲は歴史を変えるインパクトがありますね。事実、後世の人がアメリカ大陸が今までと全く違った大陸になる、そのちょうど転換点に流行った曲として思い出すんじゃないでしょうか。ラテンアメリカのメディアでは、レゲトンは「革命的(revolucionario)」という形容詞とよくくっつけられて語られてますが、アメリカ大陸で、今起こっているのは、実際革命なんじゃないかとも思います。

ぼくはこうした初期のムーブメントを2003年に纏めて『ラティーナ』に記事にした後、まぁちょっと飽きちゃってほとんど聞いてなくて、今年になってCD屋さんにレゲトンのCDが並びはじめてても他人事みたいにして、高橋悠治さんがバッハを弾くのを追っかけてるような生活だったんですが、ダディ・ヤンキーを出している会社の方にある日突然記事を依頼され、あげくはまたこんなブログをはじめてる始末。色んな意味で人生は分からないもんです(笑)。
*クレジットにYankee Manとあるのはダディ・ヤンキーですね

2 comentarios:

Anónimo dijo...

「名代子照犬☆日々是メキシコ」さんの記事から飛んで参りました。凄まじく濃厚で元手のかかった記事だと思いました。面白かったです。また読みに来たいと思います。

Takeshi Inoue dijo...

こんにちはー。コメントありがとうございます。
「元手」。かかってます!(笑)。
いつまでつづくかわかんないですが、またぜひどうぞ。『感じない男』の記事面白かったです。ぼくもまた寄せてもらいますねー。